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命知らずの男

 投稿者:づめ  投稿日:2009年 7月 5日(日)11時35分8秒
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  命知らずの男達がいる。


氷に閉ざされた厳冬の大岩壁に、自らの手と脚だけを頼りに登り挑む者。


星の動きだけを頼りに、未知の世界へ粗末な船で大海原を航海する者。


人が立ち入ってはならぬ神々の領域、8000mを超える峰へ単独で挑む者。


永久に続くかの様な、草木も生えぬ灼熱の砂漠を、喉の渇きに喘ぎ大陸を横断する者。


男達は、生と死が共存する世界に自ら身を置き、それを克服する事で生きる価値を見いだす。
世間の声に惑わされることなく、生きる証を次なる挑戦に求め旅立つ。


命知らずの男…。





先日、私は期せずしてそんな命知らずの男に出会ってしまいました…。

思うと、その出逢いも今は夢だったのではないかと、蜃気楼の如く淡く霞むその男の笑顔が思い出されます…。





その日、私は荷揚げのため朝早くに小屋を出ました。
泊まり客が来る前に小屋に戻らなくてはならず、小走りで麓へと下りました。

あと小一時間で麓というところで、その命知らずの男に出会うことになります。

その男は、岩の上に腰をおろし休んでいました。山慣れている様な、山慣れていない様な…何とも言えない服装。

一応声をかけました。


「こんにちは」

するとその男は

「こんにちはー!!」

と、とても山での軽い挨拶とは思えぬデカい声で返してきました。

(なんだこのオヤジ、ヤバそうな人か…)

とりあえず、カラまれるのはごめんなので、足早に通り過ぎようとした時に、目が合ってしまいました。



(ヤバい!)



深く被った帽子の向こうに色の付いたメガネ、色の付いたメガネの向こうにはくぐもった目。くぐもった目がニヤニヤしながらこちらを眺めています…。





その男、命知らずの男…。





それは、





東京は四谷の某ライブハウスの店長K氏、その人だった…のです!





私の出演するその某ライブハウスの店長K氏は、以前から、

「山登りなんか嫌い」

「山を登る人は理解できない、だって疲れるし、脚はツルし、寒いし、ヤダヤダ」

と事ある毎に言っていた人です。


幽霊か…幽体離脱か…。
本気で思い、頭のテッペンから足の先まで確認しました。


「おぉぉぉ!」

「グヘヘヘー!」

「な、な、なぜ!?

「グハハハァー!」


ド肝を抜かれてたじろぐ私に勝ち誇った様な高らかな笑い声。
でもどこか疲れた、後悔を感じさせる無理した笑い声にも聞こえましたが…。



いやー、ビックリでした。



かなりキツかったらしいですが、無事に小屋に到着して良かった良かった。




しかし…、登る道中の壮絶な話(脚を三回位ツリかけた、10歩歩いては休んだ、、キツい山道に悪態付きながら登って来た等)を聞き、まさに捨て身の覚悟で登って来てくれたことを改めて知りました。





命知らず男…。





氏のザックからは、瓶ごとのウイスキー(メチャ旨い)や、私の好物、魚や珍味がたくさん入っていました…。





命掛け(?)のその「気持ち」に、いろんな出会いに、改めて感謝するのでした。





命知らずの男…。




氏は下山の時に、

「もし次来るとしたら、この辛さを誰かにも味合わせるハート
「誰かにもこの死ぬ様な思いをさせるんだぁハート


「次があれば…」


と言って、深い森に消えていきました。




そんな命知らずの氏が営むライブハウスで、今月14日に稲野真人さんとライブをします。




稲野真人withきーちゃん

7月14日(火)

四谷コタン(033-357-7093)

開演19:00〜

4組出演中、我々は4番目(21:00位から)

チャージ1800円+ドリンク別途



是非、命知らずの店長を見に来て下さい…、じゃなく汗…音楽を聴きに来てください。
 
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